カビ毒は、食品や飼料を汚染する可能性のあるカビが産生する有毒な物質であり、人や動物の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。食品メーカーにとって、カビ毒のリスク管理は、製品の安全性を確保し、関連法規を遵守するために不可欠です。本記事では、食品安全において特に重要なアフラトキシン、オクラトキシンA、デオキシニバレノール、ゼアラレノン、フモニシンといった主要なカビ毒の種類と、それらが引き起こす可能性のある発がん性を含む健康影響について解説します。また、日本の厚生労働省や食品安全委員会が定める規制基準や、食品メーカーが実施すべき検査方法についても説明します。さらに、原材料の調達から保管までの各段階におけるカビ毒汚染を防ぐための具体的な対策や、HACCPにおける管理のポイントについても解説します。食品メーカーが製品の安全性を確保し、法規制を遵守するためには、カビ毒に関する知識と適切な管理体制の構築が不可欠です。健康リスクと法的義務の両面から、食品メーカーにとってカビ毒対策は重要です。カビ毒対策:基礎知識と食品安全への影響食品メーカーの皆様にとって、日々の業務において食品の安全性を確保することは重要な責務の一つです。食品は、製造過程や保管状況によって様々なリスクに晒されますが、その中でもカビ毒による汚染は、品質だけでなく消費者の健康にも深刻な影響を与える可能性があります。カビ毒とは、自然界に存在する特定の種類のかび(真菌)が産生する有毒な代謝物の総称です。これらのカビは、穀物、ナッツ、果物、スパイス、コーヒー豆など、多岐にわたる食品に生育し、食品の品質を劣化させるだけでなく、人体に有害なカビ毒を生成することがあります。特に注意すべき点は、カビ毒は熱に比較的強く、通常の加熱調理や加工処理では完全に分解されない場合があるということです。本記事では、食品メーカーの皆様が食品安全を確保するために必要となる、カビ毒に関する基礎知識、食品への影響、関連する規制基準、検査方法、そして汚染を防止するための対策について、日本の公的機関の情報に基づいて解説します。近年、カビ毒が持つ発がん性などの健康影響や、それを取り巻く規制の動向に注目が集まっています。消費者の健康を守り、企業の信頼を維持し、法令を遵守するためにも、カビ毒のリスクを積極的に管理することが重要です。目次1. カビ毒とは?食品への影響カビ毒の定義と発生カビ毒(マイコトキシン)は、糸状菌(カビ)が産生する二次代謝産物であり、人や動物に対して有害な作用を示す物質の総称です。これらのカビは、自然界に広く分布しており、適切な温度、湿度、栄養源が存在する環境下であれば、様々な食品に生育する可能性があります。カビ毒の産生は、カビの種類、生育条件(温度、湿度、pH、酸素濃度など)、基質(食品の種類)など、多くの要因によって影響を受けます。食品がカビに汚染されるのは、収穫前、収穫後、そして保管中のどの段階でも起こりえます。特に、温暖で湿気の多い条件下では、カビの増殖とカビ毒の産生が促進されやすくなります。食品への影響(品質と安全)カビが食品に生育すると、見た目の変化(変色、カビの発生)、異臭、味の変化など、食品の品質を著しく損なうことがあります。さらに重要なのは、カビが産生するカビ毒が食品中に残留し、それを摂取することで人体に様々な健康被害を引き起こす可能性があるということです。カビ毒の種類によって影響は異なりますが、肝臓障害、腎臓障害、神経障害、免疫機能の低下、そして発がん性などが報告されています。カビ毒は、直接的にカビに汚染された食品を摂取するだけでなく、カビ毒に汚染された飼料を食べた家畜の肉や乳製品を通じて間接的に摂取されることもあります。現在までに300種類以上のカビ毒が確認されていますが、食品安全の観点から特に問題となるのは、アフラトキシン、オクラトキシンA、デオキシニバレノール、ゼアラレノン、フモニシンなど、ごく一部の種類です。食品メーカーは、これらのカビ毒が自社の製品に影響を与える可能性を常に考慮し、適切な対策を講じる必要があります。カビ毒の熱安定性多くのカビ毒は、比較的熱に安定な性質を持っています。これは、通常の調理や食品加工の工程(加熱、乾燥、焙煎など)を経ても、カビ毒が完全に分解・除去されるわけではないことを意味します。したがって、カビ毒による汚染が発生してしまった食品を、加熱調理によって安全にすることは困難な場合が多いです。この特性は、食品メーカーにとって、最終製品での検査だけでなく、原材料の段階からカビの生育とカビ毒の産生を未然に防ぐための対策が非常に重要であることを示しています。2. 主なカビ毒の種類と食品への影響食品安全において特に重要なカビ毒の種類と、それぞれの特徴、汚染されやすい食品、そして人体への影響について詳しく解説します。アフラトキシン✔ 種類と特徴アフラトキシンは、主にAspergillus flavusとAspergillus parasiticusという特定のかびによって産生されるカビ毒の一群です。アフラトキシンには、B1、B2、G1、G2など、いくつかの種類が存在しますが、中でもアフラトキシンB1は最も毒性が強く、発がん性も高いことが知られています。アフラトキシンは、天然に存在する物質の中で最も強力な発がん性物質の一つとされています。✔ 汚染されやすい食品アフラトキシンに汚染されやすい食品としては、落花生、アーモンド、ピスタチオなどのナッツ類、トウモロコシ、綿実、乾燥イチジク、スパイスなどが挙げられます。これらの食品は、温暖で湿度の高い地域で栽培・保管されることが多く、カビの生育に適した環境となりやすいため、汚染のリスクが高まります。✔ 健康への影響アフラトキシンを摂取すると、主に肝臓に悪影響を及ぼし、急性中毒では肝臓障害を引き起こす可能性があります。慢性的な低濃度のアフラトキシン摂取は、肝臓がんのリスクを著しく高めることが多くの研究で示されています。1974年にインドで発生した大規模な肝炎事例は、アフラトキシンに汚染されたトウモロコシの摂取が原因ではないかと考えられています。✔ 日本の規制日本では、食品衛生法に基づき、食品中のアフラトキシンに関する規制が設けられています. 具体的には、総アフラトキシン(アフラトキシンB1、B2、G1、G2の総和)として、10 μg/kgを超えて含有する食品は、販売や製造などが禁止されています. また、乳に含まれるアフラトキシンM1についても、0.5 μg/kgを超える場合は同様の措置が取られます。これらの基準は、消費者の健康を守るために非常に重要な役割を果たしています。食品メーカーは、これらの規制値を遵守するために、原材料の選定から製造、保管に至るまでの全工程で適切な管理を行う必要があります。オクラトキシンA✔ 種類と特徴オクラトキシンA(OTA)は、主にAspergillus ochraceusやPenicillium verrucosumなどのカビによって産生されるカビ毒です. OTAは、穀類、豆類、果実、コーヒー豆、カカオなど、幅広い食品を汚染する可能性があります。✔ 汚染されやすい食品OTAに汚染されやすい食品としては、小麦、大麦、ライ麦などの穀類、コーヒー豆、ドライフルーツ、ワイン、ビール、スパイスなどが挙げられます。特に、貯蔵状態の悪い穀物やコーヒー豆は汚染のリスクが高まります。✔ 健康への影響OTAは、主に腎臓に毒性を示すことが知られており、動物実験では腎臓への発がん性も確認されています。 長期的に低濃度のOTAを摂取した場合でも、慢性的な腎臓障害を引き起こす可能性が指摘されています。 ✔ 日本の現状と国際基準日本では、厚生労働省の食品規格部会は、2023年12月11日に小麦と大麦に対して基準値「5μg/kg」を設定することを了承しました。国際的には、コーデックス委員会が小麦、大麦、ライ麦についてOTAの最大基準値を5 μg/kgと設定しています。国際的な基準であるコーデックス規格基準と一致しています。2024年に入ってからも、この基準値に関する議論は続いており、食品安全委員会は引き続きリスク評価を行い、基準値の適用状況を監視しており、今後の規制動向が注目されます。参考資料)https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-yakuji_127885.html(厚生労働省ホームページ)ゼアラレノン✔ 種類と特徴ゼアラレノン(ZEN)は、主にFusarium graminearumやFusarium culmorumなどのフザリウム属のカビによって産生されるカビ毒です. ZENは、穀類、特にトウモロコシや麦類に汚染が見られます。✔ 汚染されやすい食品ZENに汚染されやすい食品としては、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦などの穀類、ハトムギ、豆類などが挙げられます。✔ 健康への影響ZENは、動物に対してエストロゲン様作用を示すことが知られており、内分泌かく乱物質の一つとして注目されています。特に豚はZENに対して感受性が高く、生殖機能への影響が報告されています。人体への影響については、発がん性は確認されていませんが、長期的な摂取による影響が懸念されています。✔ 日本の現状日本では、食品中のZENに関する明確な規制基準は現在のところ設定されていません。しかし、飼料については、家畜の種類に応じて管理基準が設定されています。農林水産省の調査では、食用小麦や飼料からのZENの汚染が確認されています。デオキシニバレノール✔ 種類と特徴デオキシニバレノール(DON)は、ゼアラレノンと同じく、主にFusarium graminearumやFusarium culmorumなどのフザリウム属のカビによって産生されるカビ毒です。 DONは、穀類、特に小麦、大麦、トウモロコシに汚染が見られます。✔ 汚染されやすい食品DONに汚染されやすい食品としては、小麦、大麦、ライ麦などの麦類、トウモロコシなどが挙げられます。日本では、梅雨時期など湿度の高い時期に発生しやすい赤かび病によって、麦類がDONに汚染されるリスクが高まります。✔ 健康への影響DONを一度に大量に摂取すると、嘔吐、下痢、腹痛などの急性中毒症状を引き起こす可能性があります。また、慢性的に低濃度のDONを摂取すると、免疫機能への影響が懸念されています。✔ 日本の規制日本では、食品衛生法に基づき、小麦について、1.0 mg/kgを超えてDONを含有するものは販売などが禁止されています。この基準値は、消費者の健康を守るために設定されています。また、飼料についても、家畜の種類に応じてDONの管理基準が設定されています。参考資料)https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc6083&dataType=1&pageNo=1(厚生労働省ホームページ)フモニシン✔ 種類と特徴フモニシンは、主にFusarium verticillioides(フザリウム・バーティシリoides)などのフザリウム属のカビによって産生されるカビ毒の一群です。フモニシンには、B1、B2、B3など、いくつかの種類がありますが、主にトウモロコシに汚染が見られます。✔ 汚染されやすい食品フモニシンに汚染されやすい食品は、主にトウモロコシとその加工品です。✔ 健康への影響フモニシンは、動物実験で肝臓や腎臓に毒性を示すことが報告されています。馬に対しては神経毒性を示すことが知られています。人体への影響については、まだ不明な点が多いですが、長期的な摂取による影響が懸念されています。✔ 日本の現状と国際基準日本では、食品中のフモニシンに関する明確な規制基準は現在のところ設定されていません。 しかし、コーデックス委員会やEU、米国などでは、トウモロコシとその加工品に対してフモニシンの基準値が設定されています。日本においても、食品安全委員会がフモニシンの食品健康影響評価を実施しており、今後の規制動向が注目されます。参考資料)https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/riskanalysis/priority/kabidoku/kabiiroiro.html#FB(農林水産省ホームページ)その他の重要なカビ毒上記以外にも、食品安全において注意すべきカビ毒は存在します。✔ パツリン主にPenicillium expansum(ペニシリウム・エクスパンサム)というカビによって産生され、リンゴやその加工品(特にリンゴジュース)を汚染します。日本では、リンゴジュースについてパツリンの基準値が50 μg/kgと定められています。✔ ニバレノールデオキシニバレノールと同様にフザリウム属のカビによって産生され、麦類などの穀類を汚染します。日本では、ニバレノールに関する明確な規制基準は現在のところ設定されていませんが、デオキシニバレノールと合わせて管理されています。✔ ステリグマトシスチン主にアスペルギルス属の一部のカビによって産生され、主に穀類を汚染します。動物実験で発がん性が報告されています. 国内では、過去に長期間保存された米から検出された事例があります。✔ 麦角アルカロイド類麦角菌(Claviceps属、主にC. purpurea)が産生するかび毒の総称です。麦角菌は、主にイネ科植物に感染して麦角病を引き起こし、穀粒に「麦角」と呼ばれる黒い角状の塊を形成します。麦角アルカロイドによる中毒は、非常に激しい手足の痛みを伴うことで知られています。国内においては、食用麦類における麦角病の発生は非常に稀であり、近年では確認されていません。参考資料https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/riskanalysis/priority/kabidoku/kabiiroiro.html#ST(農林水産省ホームページ)3. カビ毒の食品安全規制基準食品メーカーが知っておくべき、日本および国際的なカビ毒に関する規制基準値について解説します。日本の食品衛生法における規制日本の食品衛生法では、以下のカビ毒について基準値が定められています。✔ 総アフラトキシンナッツ類、穀類、乾燥果実など多くの食品に対して、10 μg/kgを超えて含有してはならないと定められています。✔ アフラトキシンM1乳に対して、0.5 μg/kgを超えて含有してはならないと定められています。✔ デオキシニバレノール小麦(玄麦)に対して、1.0 mg/kgを超えて含有してはならないと定められています。✔ パツリンリンゴジュースに対して、50 μg/kgを超えて含有してはならないと定められています。国際的な規制基準(コーデックス委員会など)国際的な食品規格を定めるコーデックス委員会では、以下のカビ毒について最大基準値(ML)が設定されています。✔ アフラトキシン落花生、アーモンド、ピスタチオなどのナッツ類、トウモロコシ、乾燥イチジク、スパイスなどに対して、総アフラトキシンのMLが設定されています. 基準値は食品の種類によって異なりますが、一般的に10~1 5μg/kg程度です。✔ オクラトキシンA小麦、大麦、ライ麦などの穀類、コーヒー豆、レーズンなどに対して、MLが設定されています. 穀類については5 μg/kgの基準値が一般的です。✔ デオキシニバレノール小麦、大麦、トウモロコシなどの穀類に対して、MLが設定されています。 基準値は食品の種類や用途によって異なり、例えば未加工穀類では1,250 μg/kg、直接消費用の穀類及び穀類製粉では750 μg/kgなどとなっています。✔ フモニシントウモロコシとその加工品に対して、フモニシンB1とB2の総量としてMLが設定されています。未加工のトウモロコシ穀粒では4,000 μg/kg、トウモロコシのフラワー及びミールでは2,000 μg/kgなどとなっています。✔ パツリンリンゴジュースに対して、MLが設定されており、50 μg/kgの基準値が一般的です。食品メーカーは、これらの国内外の規制基準を把握し、自社の製品が基準値を満たしていることを確認するために、適切な検査体制を構築する必要があります。4. カビ毒の検査方法カビ毒の検査方法について解説します。検査方法厚生労働省や農林水産省などの公的機関は、食品中のカビ毒を検査するための標準的な検査方法を定めています。これらの検査方法は、食品の種類やカビ毒の種類に応じて、適切なサンプリング方法、抽出方法、精製方法、定量方法などを規定しています。食品メーカーは、これらの検査方法を参考に、自社の製品に適した検査方法を選択し、実施する必要があります。✔ ELISA法ELISA法は、抗原抗体反応を利用したカビ毒の検査方法です. 比較的簡便で迅速に多数のサンプルを検査できるため、スクリーニング検査に適しています. 市販のELISAキットも多数販売されており、食品メーカーはこれらを利用して自主検査を行うことができます。✔ HPLC法HPLC法は、液体クロマトグラフィーを用いてカビ毒を分離し、UV検出器や蛍光検出器などを用いて定量する方法です。ELISA法よりも高い精度でカビ毒を定量できるため、確認検査や詳細な分析に適しています。✔ 質量分析法質量分析法は、HPLCで分離したカビ毒を質量分析計で検出・定量する方法です。非常に高い感度と選択性を持ち、複数のカビ毒を同時に分析することも可能です。最新の分析技術であり、より高度な品質管理を求める食品メーカーに適しています。食品メーカーは、これらの検査方法の原理、メリット・デメリットを理解し、自社の製品や品質管理体制に合わせて適切な検査方法を選択することが重要です。また、検査結果の信頼性を確保するために、適切な精度管理を行うことも不可欠です。5. 食品製造におけるカビ毒汚染防止対策食品製造におけるカビ毒汚染を未然に防ぐための対策は、原材料の調達から製品の保管までのあらゆる段階で重要となります。✔ 原材料調達段階での対策信頼できるサプライヤーからの調達: カビ毒汚染のリスクが低い、品質管理体制の整ったサプライヤーから原材料を調達することが重要です。原材料の検査: 受け入れた原材料に対して、外観検査や必要に応じたカビ毒検査を実施し、汚染されていないことを確認します。規格の設定: 原材料の受け入れ規格にカビ毒の含有量に関する基準値を設定し、基準を満たないものは受け入れないようにします。✔ 製造段階での対策衛生的な製造環境の維持: 製造施設や設備を常に清潔に保ち、カビの生育を防ぐことが重要です. 特に、湿度が高く、有機物が付着しやすい場所(水回り、冷却装置、換気設備など)は定期的に清掃・消毒を行います。温度・湿度の管理: 製造工程における温度と湿度を適切に管理し、カビの生育を抑制します。異物混入防止: 原材料や製造工程からのカビの混入を防ぐために、適切な対策を講じます。✔ 保管段階での対策適切な保管条件: 原材料や製品を、低温かつ低湿度の環境で保管し、カビの生育を抑制します。定期的な点検: 保管庫内の温度・湿度を定期的に記録し、異常がないか確認します。また、保管されている原材料や製品にカビが発生していないか定期的に点検します。先入れ先出し: 原材料や製品は、保管期間が長くなるほどカビ汚染のリスクが高まるため、先入れ先出しを徹底します。6. カビ毒に関する最新の研究動向カビ毒に関する研究は、食品安全の向上に向けて常に進んでいます。最新の研究動向の一部を紹介します。✔ 新たな検出方法の開発より迅速、高感度、かつ簡便なカビ毒の検出方法の開発が進められています。例えば、イムノクロマト検査法を用いた簡易検査キットや、質量分析技術の応用などが研究されています。✔ 気候変動とカビ毒汚染地球温暖化などの気候変動が、カビの生育やカビ毒の産生に与える影響についての研究が進められています。気温や湿度の変化によって、これまで問題とならなかった地域や食品でカビ毒汚染が発生する可能性が指摘されており、継続的な監視と対策が求められています。✔ カビ毒の低減・無毒化技術食品中のカビ毒を低減または無毒化するための技術開発も行われています。例えば、吸着剤の利用、紫外線照射、酵素による分解などの方法が研究されています。✔ 新規カビ毒のリスク近年、新たに発見されたり、これまで注目されていなかったカビ毒のリスク評価に関する研究も進められています。これらの新規カビ毒の中には、既存のカビ毒とは異なる毒性を持つものもあり、食品安全における新たな課題となっています。✔ 関連学会・研究機関の活動日本マイコトキシン学会をはじめとする関連学会や、国立医薬品食品衛生研究所などの研究機関が、カビ毒に関する最新の研究成果や情報を提供しています。これらの情報を活用し、常に最新の知識に基づいてカビ毒対策を行うことが重要です。7. 結論カビ毒は食品の安全性において重要な課題であり、食品関連企業はそのリスクを認識し、適切な対策を講じる必要があります。本記事で解説した基礎知識、検査方法、汚染防止対策、そして最新の研究動向が、製品の安全性確保に向けた取り組みの一助となれば幸いです。8.参考文献農林水産省ホームページ【食品のかび毒に関する情報】 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/kabidoku/食品安全委員会ホームページ【食の安全ダイヤルQ&Aより】 https://www.fsc.go.jp/foodsafetyinfomap/kabishizendoku.html日本マイコトキシン学会https://www.jsmyco.org/info/about.htmlFAO/WHO Codex Alimentarius. General Standard for Contaminants and Toxins in Food and Feed.https://www.fao.org/fileadmin/userupload/agns/pdf/CXS193e.pdf◆ PR記事執筆・講習会・販売支援のご依頼はこちらから ◆「こんなテーマで記事を読んでみたい」「1時間程度の社内・社外向け講習会を開催してほしい」「製品やサービスのPR記事を執筆してほしい」「製品のリンクを掲載してほしい」「自社製品・サービスの販売を取り扱ってほしい」などのご要望・ご相談がございましたら、お気軽に質問フォームよりご連絡ください。皆さまの声をもとに、より実用的な情報発信を目指してまいります。