「GenCheck DNA Extraction Reagent」は、おおよそ15分という速さで、PCRやシークエンス解析に使用可能なDNAを抽出できる試薬キットです。本製品は、私が製品企画を担当し、開発にも携わった製品です。この機会にぜひご紹介したいと思います。カラム精製やフェノールやクロロホルムを使用せず、簡単な3ステップ操作でDNA抽出が完了するため、時間と手間を大幅に削減できます。細菌、真菌、葉、種子、動物組織、血液など幅広いサンプルに対応しており、日々の研究・実験の効率化に貢献します。この記事では、GenCheckの特徴、メリット、簡単な使い方、注意点などを分かりやすく解説します。目次DNA抽出で悩んでませんか?日々の研究活動、お疲れ様です!実験の中でも、DNA抽出は多くの時間と手間がかかる作業の一つですよね。「もっと早く、簡単にDNA抽出ができたら…」「カラム精製が面倒…」「フェノールやクロロホルムは使いたくない…」そんな悩みを抱えている若手研究者の方も多いのではないでしょうか?もし、たった15分で、しかも簡単な操作だけで、安全にDNA抽出ができる試薬があるとしたら、魅力的だと思いませんか?今回ご紹介するファスマック社のGenCheck DNA Extraction Reagentは、まさにそんな理想を叶えてくれるDNA抽出試薬です。この記事を読めば、GenCheckがなぜ多くの研究者に選ばれているのか、その秘密と魅力、そして具体的な使い方が分かります。あなたの研究効率を劇的に向上させるヒントがきっと見つかるはずです。1. GenCheck DNA extraction reagentとは?「GenCheck DNA extraction reagent」(以下、GenCheck)は、株式会社ファスマックが販売している、迅速かつ簡便にDNA抽出を実現するためのDNA抽出試薬です。従来のDNA抽出法では、煩雑な工程や遠心分離、カラムを用いた精製ステップが必要な場合が多く、時間もかかりがちでした。しかし、GenCheckは加熱処理・卓上遠心機で遠心を基本としたシンプルな原理を採用することで、これらの手間を大幅に削減。わずか15分という短時間で、PCR反応やシークエンス解析といった後続の実験に使用できるDNAを抽出することが可能です。※あくまで簡易DNA抽出を目的としているため、定量分析(定量PCRなど)ではなく、定性PCRやDNA増幅(サンガーシークエンス用、マーカー検定など)を目的とした使用に適しています。2. GenCheckのここがスゴイ!3つの大きなメリットGenCheckが多く選ばれる理由、それは他の試薬にはない明確なメリットがあるからです。特に若手研究者の皆さんにとって嬉しいポイントを3つご紹介します。メリット1:驚きの速さ!たった15分でDNA抽出完了最大の魅力は、なんといってもそのスピードです。サンプルと試薬を混ぜて加熱するだけ。インキュベーション時間を含めても、全工程が約15分で完了します。「急いで結果が欲しい!」「たくさんのサンプルを処理しないといけない…」そんな時でも、GenCheckなら迅速に対応できます。実験スケジュールの大幅な短縮につながり、他の重要な研究に時間を割くことができるようになります。メリット2:操作が超カンタン!カラム精製不要GenCheckの操作は非常にシンプルです(DNA抽出の参考例)1.5 mLチューブなどにサンプルとGenCheckを加える。100 ℃、10分加熱する。卓上遠心機で遠心して上清(DNAが含まれる溶液)を回収する。これだけです! 従来のDNA抽出キットでよく見られるカラムを使った精製ステップは一切不要。フェノールやクロロホルムも使用しません。操作が簡単なため、実験に慣れていない方でもミスが少なく、安定した結果を得やすいのが特徴です。「DNA抽出は苦手…」と感じている方にも、ぜひ試していただきたい試薬です。メリット3:安全・安心!フェノールやクロロホルム不使用GenCheckは、フェノールやクロロホルムを使用しません。これにより、ドラフトチャンバーがない環境でも比較的安全に取り扱うことができます。研究者の健康と環境への配慮がなされている点も、大きなメリットと言えるでしょう。3. どんなサンプルに使えるの?幅広い対応サンプルGenCheckは、その手軽さにもかかわらず、非常に幅広い種類のサンプルからDNAを抽出した実績があります。細菌カビ・酵母食品植物(葉、種子など)血液動物組織など、さまざまな研究分野で活用実績があります。ぜひ一度、ご自身のサンプルでお試しください。4. GenCheckの簡単な使い方 (3ステップ解説)ここでは、基本的な操作の流れを3つのステップで解説します。(詳細は、ファスマック社のHPからダウンロードができますので、製品の取扱説明書をご確認ください)ステップ1:サンプルと試薬を混合サンプル(例:葉)をチューブに入れ、 GenCheckを加えます。ステップ2:DNA抽出工程100℃で10分間加熱します。(この加熱ステップでDNAが抽出されます)加熱後、氷上もしくは室温で冷却します。ステップ3:抽出液を次の実験へ!卓上遠心機などで、細胞の残渣などを沈殿させます。上清(沈殿物を含まない上側の透明な液体)を回収します。この上清にDNAが含まれています。回収した上清は、そのままPCRのテンプレートや、必要に応じて希釈してシークエンス解析などに使用できます。たったこれだけ! 驚くほど簡単ですよね。5. 使う上でのちょっとしたコツ・注意点GenCheckをより効果的に使うために、いくつかポイントと注意点があります。サンプル量: プロトコルに記載されているサンプル量を参考にいただくと、安定した結果を得るコツです。サンプル量が多すぎると抽出効率が落ちる場合があります。試薬量:GenCheck® DNA Extraction Reagent を 2~5 倍程度に希釈して使用できる場合があります。試薬の希釈によるコスト削減が可能です。検体によっては、DNA 回収率が低下する場合がありますので、事前の検証をお願い致します。※取扱説明書の「Ⅵ-3 簡易抽出プロトコールのフロー図」を参照ください。試薬の混合: 各ステップでの撹拌(ボルテックス)は、試薬とサンプルを混合させるために重要です。しっかり混ぜましょう。加熱温度と時間: 100℃・10分間の加熱はDNA抽出のキーステップです。加熱温度は低すぎないように守りましょう。上清の回収: 遠心後の上清を回収する際、下の沈殿物を吸い込まないように注意しましょう。沈殿物にはPCR反応を阻害する成分が含まれている可能性があります。PCRへの添加量: 抽出したDNA溶液は、そのままPCRに使用できますが、サンプルによっては濃度が高い場合があり、PCR阻害を起こす可能性があります。DNAの増幅が確認できない場合は、PCRに添加するDNA量を希釈調整することが有効な場合があります。ファスマック社の「GenCheck DNA extraction reagent」は、わずか15分という圧倒的なスピードカラム精製不要の簡単な操作フェノールやクロロホルム不使用を兼ね備えた、簡易DNA抽出試薬です。日々の実験でDNA抽出に時間や手間を取られている若手研究者の皆さん、ぜひ一度GenCheckを試してみてはいかがでしょうか? きっと、あなたの研究をより効率的かつスムーズに進めるための強力なツールとなるはずです。◆ 見積りやご相談はこちらから ◆お気軽に質問フォームよりご連絡ください。